雑木林工房だより
第130回
更新/2016/5/3

信州の縄文遺跡

山梨県、長野県に縄文を訪ねて4月中旬、信州へ小旅行に行ってきました。
今から5000年も前、この山深い信州で縄文文化が繁栄し、日本の中心はこの辺りだったようです。
縄文土器の不思議な形と模様、その頃の生活と精神性に強く惹かれます。
二年前には青森に縄文を訪ねて旅行しました。縄文以前から信州と東北との交流もあり、想像以上の世界が広がっていたようです。
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久しぶりの信州。山々の連なりと桜も残る新緑が美しく、遠く日本アルプスにはまだ雪が輝いています。

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尖石縄文考古館
八ヶ岳西山麓に美しい山に囲まれた穏やかな台地に尖石(とがりいし)遺跡はあります。
30年以上も前の学生時代に一人でここを来て、尖石遺跡を発掘した宮坂英弌先生からお話を聞きとても興奮したことをまざまざと思い出しました。

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2体の国宝の土偶「縄文のビーナス」と「仮面の女神」など、八ヶ岳山麓の縄文遺跡から発掘された2000点余りの優れた考古資料を展示されています。


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北杜市考古資料館
八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、茅ヶ岳山麓、北杜市から続々旧石器時代以降の遺跡が発見されています。ここには大きな縄文土器が展示されていました。
この写真は近くの金生遺跡です。復元された縄文住居、四角く白く壁も塗られなかなか近代的です。



井戸尻考古館
雨が降っていて見えなかったのですが ここから富士山がよく見えるそうです。甲斐駒ヶ岳眼前、豊かな水が流れる最高のロケーションを選んで 縄文人は集落を作っていたのです。
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ここで懐かしい、郵便はがきに使われていた「水煙渦巻文深鉢」の縄文土器がありました。

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黒耀石体験ミュージアム
霧ヶ峰高原北東にある鷹山遺跡群星糞峠(ほしくそとうげ)は旧石器時代から黒耀石が掘って使われていた所です。
展示では各種の石器にこの石が使われていた例が説明されていました。

現在周りは別荘地。星糞峠に入ってキラキラ光る黒耀石を発見したいなぁ、と願っていたのですが、山開きは5月からとのことで叶いませんでした。
旧石器時代からここの黒耀石で作った石器が日本中で出土しているとの事、驚きです。


帰りはビーナスラインを通り霧ヶ峰高原、八島ヶ原湿原に行きました。
高原の木立、広い空、美しい緑の山並み、諏訪湖、これぞ信州です。信州の懐の深さを実感する良い旅でした。


(土偶2体、郵便はがき、最後の展示物の写真はネットよりコピーして使わせてもらいました)