雑木林工房だより
第131回
更新/2016/5/19

信州旅行(つづき)

工房だより

旅行の最後に「神長官守矢史料館」(じんちょうかんもりやしりょうかん)に行きました。
江戸時代まで諏訪大社上社の神長官をつとめた守矢家の敷地内に建てられています。
藤森照信さん設計のこの建物は建築界でとても有名です。藤森さんはここから見えるお家に育ち「照信」の名は守矢家の方が付けられたそう。その縁で藤森さんが設計した初めての建築で、色々なこだわりがいっぱいあるようでした。
説明してくださった方のこだわりも嬉しく、思いかけず長居して楽しみました。


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それにしてもユニークな建物で、信州の縄文を見てきた私たちにはここも縄文の世界です。
入口ホール内部に、諏訪大社の祭礼である「御頭祭」の復元展示があります。
古文書に描かれているように復元展示しようと藤森さんが提案したそうです。
鹿の頭、磔にされた兎、この地方が古代からの信仰を熱く受け継いでいたことを示唆しています。
この建物の中にいると地元の土を厚く塗った土壁のせいか竪穴住居にいるような不思議な安心感がありました。


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史料館から奥に歩いて行った畑の中に、これも藤森照信さん設計の「茶室」が二つ建っています。
そのうちの一つ「高過庵」です。
作ってから、藤森さんが、ちょっと高過ぎたなぁとつぶやいて、この名がついたとか。


最後まで信州の魅力を再確認できた旅でした。