第177回
更新/2019/7/10

岡山の美術館が面白い

「岡山県井原市立田中(でんちゅう)美術館」に行ってきました。
この日は大雨の予報だったのですが、ここの「岩間 弘 展」の会期が迫っていたので日帰りで向かいました。
工房だより
岩間 弘さんが第29回平櫛田中賞受賞されたのにちなんだもので、とても素晴らしかったです。
「翼のあるものたち」と題された作品群は 木、ブロンズ、石、素材は様々です。微妙な傾きと均衡が空間に伸び上がり、宇宙観を感じる魅力的な展覧会でした。


工房だより


工房だより
この地に明治5年に生まれ 昭和54年107歳で亡くなった 近代彫刻界の巨匠、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)の作品が数多く展示されいます。
その作品はあまりにもリアル過ぎて近寄り難く古臭いと思っていた私ですが、力強さと供にある温かさ 斬新さに触れ、田中作品を見直し、新鮮な感動を覚えました。


工房だより
竹喬美術館
車で30分ほど南下した隣町に「笠岡市立竹喬美術館」があります。
小野竹喬は明治22年に笠岡に生まれ、昭和54年89歳で亡くなっています。
その清らかな美しい色と、優しい自然の移ろい表現で大好きな日本画家の一人です。
その作品をいっぱい見ることができ、幸せな気分です。


工房だより
丁度「比庵さんが目指した 万葉の世界」清水比庵の展覧会が開催されていました。
「今良寛」とも呼ばれた 清水比庵のおおらかな歌と書と絵も素晴らしく 楽しい展覧会でした。


平櫛田中は107歳、小野竹喬は89歳、清水比庵92歳 三人とも晩年まで作品を作り続け、その仕事を愛し、楽しみ、精進されてきたか!を作品を通して語っています。


岡山方面の美術館に年に数回出かけます。
奈良から大阪、神戸の渋滞を抜け、山陽自動車道に入ると穏やかな山並みと共にほぼ快適なドライブで、なんとか日帰りもできます。
今回もこんな小さな町にこんな立派な美術館が! 
町の人々が誇りを持ってその美術館を守っている様子が伝わってきます。
美術を愛する想いは、行政からだけではなく どちらかといえば民間から生まれているように思います。
倉敷の大原美術館しかり、ベネッセアート、岡山にはその土壌があるのでしょうか? 
たとえば、奈義町は中国山地にある小さな町です。そこに現代アートの興味深い空間がありました。
また、岡山市立オリエント美術館は大好きな古代オリエント美術品が多数収納され、いつ行ってもワクワクした気持ちになります。
今回行った二つの美術館は、そのとき入場していたのは私たち二人だけでした。それでもこのような美術館が存続し続けられるよう願います。


▶︎大原美術館の訪問記はこちら
▶︎奈義町現代美術館の訪問記はこちら
▶︎岡山市立オリエント美術館の訪問記はこちら
▶︎高梁市成羽美術館の訪問記はこちら
ほかにもいっぱい良い美術館があるようです。ときどき行ってみたいと思います。


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紫陽花
工房だより
ぼうぼうだった裏山を草刈りして、昨年 紫陽花を株分けして植えました。元気に根づいてくれて、爽やかな白と青が梅雨空に眩しい!
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様々な紫陽花を大壺に活けました。
画像の説明


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桔梗や野かんぞうも咲き出しました。