雑木林工房だより
野の花、山の緑
第202回
更新/2021/6/4
奈良市西狭川町にお住まいの田中先生ご夫妻を 梅雨の合間の日に友人と訪れました。
里山の雰囲気の残るこの山里は 緑豊かな自然に囲まれ、
古民家に住まれスローライフな生活をされているご夫妻を訪れるのが楽しみです。
ここでご主人の田中快旺先生は「楽篆堂(らくてんどう)」として、
ユニークでセンス溢れる篆刻を創作されています。
奥さんの田中理節先生は「野の花と遊ぶ花の会」を主催されています。
お庭からは水田が広がるのが見わたせて、お花がいっぱいです。
縁側で手作りのケーキを頂き、花摘みに出かけました。
歩いて近くの山に入りました。
立浪草。ショウジョウバカマ。高砂ユリ。
慣れていらっしゃる理節先生の目なら 次々お花を見つけて摘んで下さる。
そこかしこに白糸草が、楚々と揺れていました。
帰りには お庭のお花を根ごと沢山頂いて、
目に緑、耳には鳥の囀り、
心いっぱい、花いっぱいで帰りました。
我が工房にて、
翌日 頂いた花を植えようと 工房の庭を草刈りして見つけました。
2年前に頂いた白糸草が 笹の陰で静かに咲いていました。
気づかずにゴメンね。これも田中先生のお陰です。
草刈りをしていて、思わず刈ってしまった花たち。
しばらく生けて楽しみます。
見上げればテイカカズラが木々を覆うほど香り立ち、
日に日に木々が大きく濃くなり、
卯の花が白く輝き、雑木林に初夏の初々しい彩りを放っています。