第149回
更新/2017/10/2

神勝寺 禅と庭のミュージアム

工房だより
広島県福山市にある「神勝寺 禅と庭のミュージアム」に日帰りで行ってきました。
2016年秋にオープンしたばかりで その写真を見て一度訪れたいと思っていました。
神勝寺は1965年に開山されたさほど古いお寺ではありませんが、総門は旧賀陽宮邸から、大徹堂は鎌倉・建長寺から移築された風格のあるもので、禅を身体で体感できるように作られたミュージアム型寺院です。


工房だより
総門をくぐると 藤森照信氏設計の「松堂」がすぐに目に入ります。
八角形のとんがり屋根からは松の木が生え、屋根は手曲げ銅板で幾重にも葺かれています。
工房だより
柱もこんな感じで、不思議に優しく私たちを出迎えてくれました。


陶芸教室
よく手入れされた広い庭園には、古建築がいくつも移築がされていたり、利休の茶室の復元もあります。
お昼に頂いた「五観堂」での神勝寺うどんは、修行僧の作法を教えていただきつつ、太くて長い雲水箸を使って頂いたうどんはお味も良く印象に残りました。


工房だより
松堂の脇の石段を登り橋を渡ると、大きな船のような建物が宙にうかぶように出現します。
アートパビリオンの洸庭です。
建物全体はこけら葺きの技法の木材で包まれています。名和晃平/SANDWICHの設計です。
工房だより
タラップのような小さな橋を渡って建物に乗船すると そこは闇! 暗闇に射す微かな光と幽かな音、名和晃平のインスタレーションです。私は無限の時間と宇宙を感じました。


工房だより
庭を楽しみつつ上がっていくと本堂と、白隠コレクションのある荘厳堂があります。
ガラス越しでなくあの白隠禅師の禅画・墨跡が静寂の中に並べられています。


奈良や京都のお寺を見慣れている私たちですが、禅を現在の人々に楽しみつつ体現していただきたい、というこのお寺の意図が嬉しく伝わってきました。
ゆっくりはできなかったのですが近くの鞆の浦を回って 瀬戸の海を車窓から見ながら帰りました。